香典返しの挨拶状を解説!例文付きで古い言葉を現代語訳

香典返しと忌明けの挨拶状でよく使われる伝統的な表現に、どのような思いが込められているのか気になったことはありませんか?

または、「挨拶状が届いたけど、これってどういう意味なんだろう?」

「香典返しの挨拶状のこの文章、私にもあてはまるかしら?」

「難しい言葉をわかりやすい言葉にいしたいけど、どんな言葉を選んだらいいんだろう?」

そんな疑問を抱いたことはありませんか?

今回は、香典返しの挨拶状の基本と使われている歴史ある言葉の意味についてわかりやすく解説します。


1. 香典返しの挨拶状とは?

まず初めに香典返しの挨拶状の基本をおさらいしておきましょう。

香典返しの挨拶状の役割と、この習慣が現代まで続いている理由について解説します。

1-1. 香典返しの挨拶状の役割

まず、「香典返し」とは亡くなった方を偲び、遺族を支えるために寄せられた香典への感謝を表すため、 遺族から贈り物を返す日本独特の習慣です。

七七日の法要後に送られ、故人を見送った区切りと、遺族が新たな一歩を踏み出す準備の象徴としても意味を持ちます。

香典返しを行う理由は、感謝の気持ちを伝えるとともに、「いただきっぱなし」を避け、相手との対等な関係を保つという日本の文化に基づいています。

そのため、香典返しの挨拶状は、香典のお品物に添える「故人への弔問や香典に対する感謝の気持ち」を伝える大切な手紙と言えます。

1-2. 習慣が続いている理由

香典返しという習慣が現代でも続いているのには、主に3つの理由があります。

1つ目は、感謝の気持ちを言葉だけでなく、具体的な形で示すことを重んじる日本の文化が理由にあります。

香典返しは、故人を偲び弔問に来てくださった方々への支援や思いやりの気持ちに対して、遺族が故人に代わって深い感謝を形にする大切な機会となります。

2つ目は、円満な人間関係を保つという社会的な意義が理由とされています。

香典をいただいた際に適切な対応をすることで、親族や知人との信頼関係が維持され、故人を取り巻く人間関係を円滑に保つ役割を果たしているのです。

3つ目は、日本の宗教観と礼儀作法が理由とされています。

香典返しは、故人の供養と遺族の新たな一歩を踏み出す区切りを意味するだけでなく、お互いを思いやり、礼を尽くすという日本の伝統的な作法としても意味を持ちます。

このような理由で、人と人との心の通い合いを大切にするこの習慣は、時代が変わった現在でもなお深い意味と価値を持ち、日本の文化のとして受け継がれているのです。

2. よく使われる伝統的な表現と読み方と意味

2. よく使われる伝統的な表現と読み方と意味

香典返しの挨拶状には、長年受け継がれてきた古風な表現があります。ここでは当店でよく使用される一般的な文例を使って代表的な古風な文章を、今日よく使用するようなわかりやすい言葉に訳してみましょう

一般的な香典返しの挨拶状の文例画像

2-1. 「御尊家御一同様 愈々御清祥の段 慶賀の至りに存じ上げます」

読み:ごそんけごいちどうさま いよいよごせいしょうのだん けいがのいたりにぞんじあげます

現代語訳:ご家族のみなさまがますますお元気でお過ごしのことを、心よりお喜び申し上げます。

2-2. 「さて先般」

読み:さてせんぱん

現代語訳:さて、先日

2-3. 「○○儀」

読み:〇〇ぎ

現代語訳:〇〇さん、または 〇〇のこと(身内に対して使われる言葉でへりくだった表現としながらも故人への敬意も示しています)

2-4. 「御多忙中にもかかわらず早速」

読み:ごたぼうちゅうにもかかわらずさっそく

現代語訳:お忙しい中にもかかわらず

2-5. 「御懇篤なる御弔慰を忝うし」

読み:ごこんとくなるごちょういをかたじけのうし

現代語訳:身に余るほどの心のこもったお悔やみの言葉をかけてくださり

2-6. 「且 御鄭重なる御香志を賜り」

読み:かつ ごていちょうなるごこうしをたまわり

現代語訳:それに加えて、ご丁寧にご香典を頂き

2-7. 「御蔭をもちまして 本日 七七日忌明に当り 近親相集い 滞りなく法要を相営みました」

読み:おかげをもちまして ほんじつ しちしちにちきあけにあたり きんしんあいつどい とどおこりなくほうようをあいいとなみました

現代語訳:おかげさまで、本日、七七日の法要を家族や親族で無事に行うことができました。

2-8. 「これ偏に皆様の御蔭と深謝いたす次第でございます」

読み:これひとえにみなさまのおかげとしんしゃいたすしだいでございます

現代語訳:これもみなさまの支えがあってのことと、深く感謝しております。

2-9. 「早速拝趨の上御礼申し上げるのが本意で御座居ますが」

読み:さっそくはいすうのうえおんれいもうしあげるのがほんいでございますが

現代語訳:本来ならこちらから出向いていって直接お礼を言うべきところですが、

2-10. 「書中をもって失礼乍ら謹んで御挨拶申し上げます」

読み:しょちゅうをもってしつれいながらつつしんでごあいさつもうしあげます

現代語訳:失礼ながらこの手紙でお礼をお伝えさせていただきます。

2-11. 「忌明に際しまして供養のしるしまでに」

読み:きあけにさいしまして くようのしるしまでに

現代語訳:忌明けにあたって、お香典をいただいた方に感謝の気持ちとともに、故人の成仏のため功徳を積むことの証としてお礼に

2-12. 「甚だ粗品でございますが何卆御受納下さいますようお願い申し上げます」

読み:はなはだそしなではございますが なにとぞごじゅのうくださいますようおねがいもうしあげます

現代語訳:ささやかな品物をお送りしましたので、どうぞお受け取りいただけますようお願いします。


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3. 現代風に言い換える際の工夫と注意点

香典返しの挨拶状で使われる旧来の表現を現代風に言い換える場合は、以下の3点に気をつけるのがオススメです。

敬意のバランスを保つ

丁寧さを保ちながら、理解しやすい表現を選びます。

例えば「謹んで御礼申し上げます」の場合、ただ単に「感謝します」「ありがとう」よりも「心より感謝申し上げます」のほうが丁寧な印象を与えられます。

旧来の表現と現代風の表現の例:

  • 「早速拝眉の上 親しく御礼申し上げる筈で御座いますが」 → 「直接お会いしてお礼を申し上げるべきところでございますが」
  • 「御懇篤なる御弔慰を賜り」 → 「あたたかいお悔やみのお言葉をいただき」
  • 「略儀失礼ながら粗箋を以って謹而御挨拶申し上げます」 → 「失礼ながら書面をもちまして謹んでご挨拶申し上げます」

形式的な表現は残す

丁寧さを保ちながら、理解しやすい表現を選びます。

頭語や結語などの手紙の基本的な形式は、現代風に言い換える場合でも残すことをお勧めします。

例えば、頭語である「謹啓」や結語である「敬具」などの形式を使うことで、手紙の品格を保つことができます。 また、香典返しの挨拶状は、弔事の場面で使用されるため、格式を重視することが大切です。

世代への配慮を忘れずに

受け取る方の年齢層を考慮して、極端な現代用語は避けたほうが良い場合もあります。

例えば、年配の方に向けた挨拶状でカジュアルすぎる表現を使うと、礼儀を欠いた印象を与える可能性があります。伝統的な表現と現代的な表現のバランスを心がけると良いでしょう。


4. まとめ

  • 香典返しとは、亡くなった方を偲び、いただいた香典への感謝を表すため遺族から贈り物を返す日本古来の習慣です
  • 香典返しの挨拶状は、弔問や香典への感謝を伝えるという役割を持ち、日本の伝統的な文化として現代も継承されています
  • 感謝の気持ちの表現、円満な人間関係の維持、日本の宗教観と礼儀作法という3つの理由で、この習慣は続いています
  • 「謹んで」「御厚情」「御礼申し上げます」などの伝統的な表現には、深い敬意と感謝の気持ちが込められています
  • 現代風に言い換える際は、敬意のバランスを保ちながら、真摯な気持ちが伝わる表現を選ぶことが大切です

いかがでしたか?

これから香典返しの挨拶状の手配を考えている方や、どのテンプレートを選べばいいのかと迷っている方、届いた挨拶状の読み方や意味について疑問に思った方の少しでもお役立ていただけますと幸いです。